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メンバー

「高効率ブーメラン型フォトクロミック系の構築」

阿 部 二 朗

小 川 桂 一 郎

Kiichiro Ogawa

東京大学・大学院総合文化研究科・広域科学専攻・
相関基礎科学系・教授

連絡先

〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1
Phone: 03-5454-6576, Fax: 03-5454-6576
E-mail: ogawa@ramie.c.u-tokyo.ac.jp(@を半角に直してください)

分担者

原田 潤 (助教,03-5454-6578)

専 門

有機物理化学,有機結晶化学

役割分担

「分子間プロトン移動フォトクロミックシステムの開発」 A02班 公募研究

略 歴

1978年3月東京大学大学院理学系研究科化学専門課程博士課程中退,同年4月東京大学教養学部助手.同助教授を経て,現在同大学院総合文化研究科准教授.

学 位

理学博士(東京大学,1983年)

主な所属学会

日本化学会,日本結晶学会

受賞等

日本結晶学会賞(1997年),日本化学会功労賞(2007年)

本特定領域での研究目標と方針

図 励起状態におけるプロトン移動は,非常に高速に進行するが,生成した互変異性体が容易に元に戻ってしまうので,通常はフォトクロミズムを引き起こすことはないと考えられている.それに対して,申請者らは分子間プロトン移動に起因するフォトクロミズムが,2-ヒドロキシフェナジンとその類縁体において発現することを見出した(図1, Chem. Lett., 32, 840 (2003)).この反応においては,低温で分子間水素結合による会合体が形成され,その中で水素結合を介したプロトン移動が励起状態で進行したものと理解される.この光誘起プロトン移動によって生成した互変異性体(NH形)は,通常ならば水素結合を介して容易にOH形に戻るはずであるが,この場合には不思議なことに,NH形の戻り反応がなんらかの原因によって阻害されている.したがって,このフォトクロミズムは,従来のプロトン移動についての常識を破る新しいタイプのフォトクロミズムといえる.本研究では,この新しいプロトン移動フォトクロミズムを,これまで見過ごされてきた視点に立って開発するとともに,その機構の解明をめざす.励起状態での分子間プロトン移動は非常に多くの化合物で起こることが知られているが,それにもとづくフォトクロミズムはこれまで報告がない.本研究によって,これまで注目されることの無かった多くの化合物で分子間プロトン移動フォトクロミズムが実現されるものと考える.

  1. J. Harada, K. Ogawa, Pedal motion in crystals, Chem. Soc. Rev., 38 (2009) in press.
  2. 原田潤,小川桂一郎,「有機結晶の色変化を理解する-サリチリデンアニリン類のサーモクロミズムの真相-」現代化学, 2009年,1月号,25-30.
  3. T. Fujiwara, J. Harada, K. Ogawa, Hydrogen-Bonded Cyclic Dimer Formation in Temperature-induced Reversal of Tautomerism of Salicylideneanilines, J. Phys. Chem. A, 113, 1822-1826 (2009).
  4. J. Harada, R. Nakajima, K. Ogawa, X-ray Diffraction Analysis of Photochromic Reaction of Fulgides: Crystalline State Reaction Induced by Two-Photon Excitation, J. Am. Chem. Soc., 130, 7085-7091 (2008).
  5. J. Harada, T. Fujiwara, K. Ogawa, Crucial Role of Fluorescence in the Solid-State Thermochromism of Salicylideneanilines, J. Am. Chem. Soc., 129, 16216-16221 (2007).
  6. M. Miura, J. Harada, K. Ogawa, Temperature-Induced Reversal of Proton Tautomerism: Role of Hydrogen Bonding and Aggregation in 7-Hydroxyquinolines, J. Phys. Chem. A, 111, 9854-9858 (2007).