「フォトクロミック分子単結晶表面における光誘起物質移動」

中 野 英 之
Hideyuki Nakano
室蘭工業大学・大学院工学研究科・応用理化学系専攻・教授
連絡先
〒050-8585 室蘭市水元町27-1
Phone: 0143-46-5753, Fax: (応用化学事務室) 0143-46-5701
E-mail: nakano@mmm.muroran-it.ac.jp(@を半角に直してください)
専 門
有機材料化学、有機物理化学、有機光化学
役割分担
「フォトクロミック分子単結晶表面における光誘起物質移動」 A03班公募研究
略 歴
1991年3月大阪大学大学院工学研究科プロセス工学専攻博士後期課程修了、同年4月大阪大学工学部助手、大阪大学大学院工学研究科助手(改組に伴う配置換え)を経て、2000年4月大阪大学大学院工学研究科講師。2010年4月より室蘭工業大学大学院工学研究科教授
学 位
工学博士(大阪大学、1991年)
主な所属学会
日本化学会、高分子学会、光化学協会、ケイ素化学協会、近畿化学協会
本特定領域での研究目標と方針
アゾベンゼン系フォトクロミック材料の薄膜における光誘起表面レリーフ回折格子 (SRG) 形成は、光の作用により膜表面付近で物質移動が誘起されるフォトメカニカル効果のひとつとして注目されている。これまでの研究対象がアモルファス材料あるいは液晶高分子に限られていたのに対し、最近、単結晶についても光誘起SRG形成が可能であることを明らかにし、平成20年度の本特定領域研究で、アゾベンゼン誘導体単結晶表面における光誘起SRG形成が一般的な現象であることを示してきた。しかしながら、単結晶を用いる光誘起物質移動の研究は緒についたばかりであり、多くの課題が残されている。
本特定領域研究では、平成20年度に引き続き、単結晶を用いる光誘起SRG形成の一般的な特徴を明らかにするとともに、物質移動機構の解明を目指して検討をすすめる。これまでによく知られているアゾベンゼン系誘導体やアゾベンゼン系フォトクロミックアモルファス分子材料の単結晶に加え、アゾベンゼン系以外のフォトクロミック分子の単結晶や、共結晶、包接結晶など、さまざまな結晶を取り上げ、それらの光誘起SRG形成を結晶構造や分子の性質、反応特性などと相関させて検討するとともに、光照射に伴う結晶の表面構造、結晶化度などの変化を明らかにし、単結晶を用いる光誘起物質移現象の全容解明を目指す。
- H. Ando, T. Tanino, H. Nakano, Y. Shirota, Photoinduced surface relief grating formation using new polymers containing the same azobenzene chromophore as a photochoromic amorphous molecular material, Mater. Chem. Phys., 113 (1), 376-381 (2009).
- H. Nakano, Photoinduced Surface Relief Grating Formation on a (100) Surface of a Single Crystal of 4(Dimethylamino)azobenzene, J. Phys. Chem. C., 112 (41), 16042-16045 (2008).
- H. Nakano, Photoinduced Surface Relief Grating Formation Using Azobenzene-based Molecular Materials: Photoinduced Surface Relief Grating Formation on a Co-crystal of 4-[Bis(9,9-dimethylfluoren-2-yl)- amino]azobenzene and Ethyl Acetate, ChemPhysChem, 9 (15), 2174-2176 (2008).
- H. Nakano, T. Tanino, T. Takahashi, H. Ando, Y. Shirota, Photoinduced Surface Relief Grating Formation Using Azobenzene-based Photochromic Amorphous Molecular Materials, J. Mater. Chem., 18 (2), 242-246 (2008).
- T. Tanino, S. Yoshikawa, T. Ujike, D. Nagahama, K. Moriwaki, T. Takahashi, Y. Kotani, H. Nakano, Y. Shirota, Creation of Azobenzenebased Photochromic Amorphous Molecular Materials – Synthesis, Glass-forming Properties, and Photochromic Response, J. Mater. Chem., 17 (47), 4953-4963 (2007).
- H. Nakano, T. Tanino, Y. Shirota, Surface Relief Grating Formation on a Single Crystal of 4-Dimethylaminoazobenzene, Appl. Phys. Lett., 87 (6), 061910/1-3 (2005).
